留学歴
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2012年4月 - 2013年10月 H. Lee Moffitt Cancer Center and Research Institute 博士研究員
共同研究・競争的資金等の研究課題
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鼻性NK/T細胞リンパ腫を治癒に導く複合的免疫療法の確立
研究課題/領域番号:21H03082 2021年4月 - 2024年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
原渕 保明, 熊井 琢美, 大原 賢三, 高原 幹, 大栗 敬幸, 長門 利純, 岸部 幹, 小林 博也
配分額:17,680,000円 ( 直接経費:13,600,000円 、 間接経費:4,080,000円 )
鼻性NK/T細胞リンパ腫がCCR4を発現しており、CCL17を介したポジティブフィードバックを形成していることを明らかとした。また、抗CCR4抗体(Mogamulizumab)がNK細胞を介した抗体依存性細胞傷害活性を増強することも見出した。更に、TGF-bやプロスタグランジンE2などの免疫抑制因子が本腫瘍から産生されることも明らかとなり、COX2阻害薬が鼻性NK/T細胞リンパ腫に対する免疫治療のアジュバントとして有効であることが見出された。
申請者らはこれまでにp53などの多くの腫瘍抗原から腫瘍特異的なT細胞を誘導可能なエピトープペプチドを同定してきた(Ohara et al. OncoImmunology, 2018など)。本検討では、これまで構築してきたペプチド解析アルゴリズムを用いて本腫瘍に発現しているc-MetやPD-L1などの腫瘍抗原および、そのエピトープを同定した。具体的には、発現している腫瘍抗原をTCGAデータベースで検索し、発現が予測されるタンパクの腫瘍細胞株および患者組織における発現を、フローサイトメトリーやウエスタンブロット、免疫組織化学染色で明らかにした。次に、IEDBやSYFPEITHIによるアルゴリズム解析を用いて複数のHLAに結合可能なペプチドを推定、合成する。このペプチドと、磁気ビーズ法で分離したドナー由来樹状細胞およびT細胞を共培養/クローニングすることで、腫瘍特異的T細胞株を樹立した。樹立した抗原特異的なT細胞のHLA拘束性は、抗HLA抗体による増殖阻害およびELISA法およびサイトカインの細胞内染色で確認し、実際に抗腫瘍効果があることを証明した。 -
鼻性NK/T細胞リンパ腫における免疫抑制機構の解明と新規免疫療法の開発
研究課題/領域番号:18H02948 2018年4月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
原渕 保明, 熊井 琢美, 高原 幹, 大栗 敬幸, 長門 利純, 岸部 幹, 小林 博也, 大原 賢三
配分額:17,290,000円 ( 直接経費:13,300,000円 、 間接経費:3,990,000円 )
鼻性NK/T細胞リンパ腫は、申請者が腫瘍細胞へのEBウイルス(EBV)感染を世界に先駆けて報告して以来、EBV関連悪性腫瘍のひとつとして確立されている。本研究では、これまでの研究をさらに発展させ、本疾患における免疫抑制機構を多方面から明らかにするとともに、多様なアプローチで免疫療法の標的となる新規腫瘍抗原の同定を試み、さらに、同定した腫瘍抗原由来ペプチドワクチンや免疫抑制機構を解除する様々な薬剤を用いた複合免疫療法の確立を行なった。
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鼻性NK/T細胞リンパ腫に対するEBウイルス・腫瘍増殖分子標的治療の基盤的研究
研究課題/領域番号:24390385 2012年4月 - 2015年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
原渕 保明, 高原 幹, 岸部 幹, 小林 博也, 上田 征吾, 長門 利純, 駒林 優樹, 熊井 琢美
配分額:18,330,000円 ( 直接経費:14,100,000円 、 間接経費:4,230,000円 )
鼻性NK/T細胞リンパ腫は,EBV関連腫瘍であり、予後不良な悪性リンパ腫である。本研究において本疾患細胞株にCD70が高発現しており可溶性CD27との結合を介して細胞増殖に関わる事を見出した。また本腫瘍細胞がCCL17、CCL22を分泌し、これらの受容体であるCCR4を高発現している事を明らかにした。さらに抗CD70抗体、抗CCR4抗体が腫瘍細胞に対し、各々CDC活性、ADCC活性を有することが確認され、抗体療法の有用性が示唆された。またmicroRNA-15aが本腫瘍細胞において発現低下しており、標的遺伝子であるMYB、cyclin D1の発現増強を介し、細胞増殖を促す事を明らかにした。